パウっとんちゃ~ん

沢登りと山岳スノーボード(山ボード)と他もろもろ

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7/6前鬼川不動七重滝降渓

写真と動画

(7/11 2:42 装備を追記しました)
(7/11 21:30 MYGWさんのご意見を追記しました)
(7/12 朝 MKNさんの ご意見を別記事にupしました)
●背景
 旭ノ川本流降渓に行った時にMYGWさんと「7月の土日に行こう」と言っていたのが実現した。俺は何年か前に小山伏さんや沢遊会の人らで降渓を試みたが そのときは かなりの増水で とてもやないけど不動七重上部まで辿りつくことが出来なんだ。MYGWさんは今まで立合川・池郷川など降りてはるそうや。

●前日
 阪急で梅田まで出て、JRに乗り換え、大和路快速で4時前に久宝寺駅着。駅から5分のMYGWさんの会社でMKNさんと待つ。間もなくMYGWさん現れ、マガモと自家製地鶏と鮪中トロを積み込み、トラックみたいにデカイ4駆(以下、"戦車")で現地へ向かう。「白川又川林道の広場で寝よか」の案も出たが、「今日中に滝を見ておきたい。」とリピートし、前鬼川林道の展望台へ。以前みた時よりは水量は少ない。が、梅雨期だけあって迫力はある。滝の音が凄い。F5(林道から見えてて一番高さのある滝)の降り方について案を出す。右から、いや、左から。結局、「明日、上から見てみて決めよ」ということに。林道終点手前の広場で店を広げて宴会。マガモも中トロも美味かったが、野菜が少なかった。次回は野菜を買ってこう。俺の持ってきた瓜の梅酢漬けは無言でバクバク喰ってもらえたので嬉しかった。宴会中の話で よぉ覚えてる話はMYGWさんの「なんでか分からんけど 俺の机の上に『山男たちの死に方』ってゆう本が置いたぁってん。」というのと、満天の星空の天の川。10時半までに寝たと思う。


●当日
5:50 起床。MYGWさんとMKNさんは もう起きてはった。薄雲が出てる。朝食をとり、準備をする。MKNさんは「ハーネス忘れたしヤメときますゎ。」とのこと。降渓メンバーはMYGWさんと俺の二人ということに決定。皆で戦車に乗り込み、林道を下流側へ。

7:20 MYGWさんと荷物一式をトンネル上流側の入渓地点に下ろす。俺は戦車を運転して林道の滝展望台へ。滝の水流横の濡れたところなどを観察すると昨夜みた時より水量が減っていることが分かり、少し安堵。ココで戦車とMKNさんを残し、上半身裸でウェット上着を持ってトンネルの坂を登っていく。入渓地点に着くとMYGWさんが既にザックを降ろしてくれていた。傾斜の緩いガレを歩いて沢床に。10mほど上流側に細い吊橋がかかる。少し準備体操をする。

7:40 遡行開始。まずは お互い写真撮影。川原を歩き、何個か瀬を下り、泳いで、歩いて、また小さい瀬を越えていく。3m滝を右岸側からドボンと飛び込み、また瀬を歩いていくと、行く手が明るく開けてくる。MYGWさんが「ドラマが始まるネ。」と。この絶景を見れなかったMKNさんは絶対損したなぁと話し合う。2m滝を左岸側からドボンと直径20mの大釜に飛び込む。青空が広がる。ココは もうパラダイス。

IMGP0703s.jpg

↑F8落ち口からの写真

8:10 2m滝下の直径20mの大釜は次の滝の落ち口に着く。ひぐらしさんの記録によれば この滝はF8や。F8は多条で2段や。水量の少ない時は多条やないかも。上段が8m、下段が4mほど。その先は6m釜の後、斜瀑H2L4m、そして真っ白に泡立つ淵の後、高さ5~10mの滝(はっきりしない)の後、また大釜が見える。F5は最後の大釜の先やろう。このF8は右岸側にリッジがあり、途中まではクライムダウン出来そうやけど、その先は切れてるのかズルズルなのか分からん。MYGWさんは「懸垂や!」ってことで早速 ボルトの穴を開け始める。俺「ちょっ、ちょっと。ここ降りるのはエエとしても その先どないしはりますのん?」。MYGWさん「あっこ(F7(斜瀑H2L4m))は流れていけるやろ。で、その先の滝(F6)の落ち口に立てるやろ。」とのこと。俺「え゛っ、マジっすかっ?あっこエラいホワイトウォーターなってますよ。」。とにかくMYGWさんの決断、行動は早い。10分ちょいで一人で穴を開けてしまい、リングボルトを打ち込み、4~5mmほどの細いロープシュリンゲの捨て縄をかけ、そこに8.9mm40mのロープをかけて懸垂で折り始めた。

8:30 俺が懸垂でF8の下段落ち口あたりに降りたった時にはMYGWさんは既に次の下降のためにウェーブハーケンを打ち込み、捨て縄のセットも終わっていた。俺「この懸垂のロープどないします?抜いちゃいます?」。MYGWさん「抜いてまお。」。で、抜いたものをまとめず、そのまま次の支点に通す。MYGWさん「こっからは流れていくからエイト環使わんと、ロープにカラビナがけにしていこ。」。俺「え゛っ、ロープの回収は どないするんすか?」。MYGWさん「回収でけるよ。あと、このウェーブハーケン、全然 利いてへんから。」。見ると確かにグラグラっぽい。流れた後 止まれるから大丈夫ということなんやろか。

8:38 MYGWさんがカラビナがけでF8の下段滝を左から降り、その後、釜に入る。

8:40 MYGWさんがカラビナがけのままF7の落ち口に立つ。しばらく下流側を観察した後、こちらをチラっと振り返る。その後1段(60cmぐらい?)降りて、その後、スグ見えなくなる。行ってもた。姿が全く見えない。1~2分 待ち、呼子を鳴らすが無反応。ロープを引っ張ってみるがテンションは無い。スルスルっと抜けて上までヤってきた。呼子を鳴らすが無反応。声をかけるが無反応。

8:44 相変わらずMYGWさんからの反応は無い。滝の途中で岩か流木などのストレーナーにかかって声も出せんのやろか。凄い水圧やろから、一人で引っ張り上げる自信は無い。それとも、もう一個先の釜まで流れてってもうて、声が届かんのやろか。とにかく冷静に考えんと。助けを呼びに行きたいけど、上からの懸垂のロープは抜いてもうとるし、登りルートは対岸か、もしくは こっち岸か、何通りか考えられるけど、かなり時間がかかりそうや。冷静に。もしかしたら助けれるかもしれんし、とりあえず落ち口まで様子を見に行ってみよ。決定。でも後戻り出来るようにしとかんとな。で、グラグラのウェーブハーケンは抜いて、そのちょい下のリスにクロモリを打ち込む。で、ロープを再度セットし、流す。ピンと張る。呼子を鳴らすが無反応。ロープを引っ張っても上がらない。水圧のせいか?で、懸垂で降りていき、釜を泳ぐ。ようやくF7の落ち口に立った。何も見えない。白い泡の淵と その先に滝の落ち口らしき箇所、で、その先は釜。呼子を鳴らしてみる。

9:45 呼子を鳴らす。「おぉい」という声がした。あれ。どこから?呼子を鳴らす。「おーい、おーい」という声。右岸側から聞こえるような気もするが、、、誰か助けに来てくれたんやろか。いや、そんなことは。。。やっぱりMYGWさんの声に違いない。でもいったいぜんたいどこから声が聞こえるんやろか。下流の右岸側から聞こえるような気もするが、どうなんやろ。とにかく生きててくれてよかった。ホっと安堵のため息。「おぉい。どしたー?」こっちからも声をかけてみるが、相変わらず「おーい、おーい」が連呼されるだけ。んーー、声は元気そうやしなー。もしかしたら、俺が なかなか降りてこーへんから心配してくれてんのかなー。あの先の釜の どっか岸に上がって声かけてくれとるんちゃう?!とりあえず声はしとるし、行ってみよ。

IMGP0727s.jpg
9:52 若干不安は残るが、声は聞こえるし 何とかなるやろ。滑る時に引っかかりそうなギヤ類をしまいこむ。MYGWさんと同じようにダブルロープにカラビナがけでハーネスに繋ぎ、落ち口から1段降りる、と ほぼ同時に凄い水圧で足をすくわれ流される。ホワイトウォーターに突っ込む。自分の体勢が どうなってるんか よぉ分からん。とにかく回ってるような感じ。いつになったら息が出来るんやろ。と思ったら、あれ、止まった。なにかグニュっとしたものに当たった。何これ?と思うと そのグニュはMYGWさんの身体やった。おぉー、MYGWさーん!生きてる姿みれて良かったわー。滝の水流際あたりでMYGWさんはロープを持ち、ツルツル垂壁に薄くついた凸状に足を突っ張って身体を固定している。俺はMYGWさんに止めてもらい、なんとかメインの水流に突っ込まずに済んでいる。

080706前鬼F7写真+概念図

ココが淵。F7の落ち口からは見えてなかった部分や。F7は落ち口からは ほぼダイレクトにF6に注ぎこんでいるように見えるが、左岸側に死角になっている部分があり、そこが渦巻いている。その渦の一箇所にMYGWさんも俺も居るゆうわけ。MYGWさん「上からロープで助けてもろたら良かったー」と言ってる。そ、そやな、こんなとこに二人して居るよりは それのほうがええ。MYGWさん「潜ったり、泳いだり、色々やったけど、あっち側(F6落ち口方向)には行かれへんかってん。」と言う。でも、こんなとこで1時間も よぉ一人で居ったなぁ。MYGWさんは やっぱ凄いっ。感心してる間もなく、水流に巻き込まれる。そうすると息できんよー。MYGWさんと位置を交代し、なんとか水流に巻き込まれんようにしてロープ登高しようとするが、水流がキツ過ぎるし、最後の1m弱は立ってるし とても無理。絶対無理。ロープにバッチマンして少し水中から身体を上げてから垂壁にボルトを打ち始める。20~30分かけてリングボルト一個。この間、MYGWさんは少しヤツれた顔で水に浸かっている。早くMYGWさんも水上に上がってもらえるようにせんとな。リングボルトにアブミをかけて ようやく水上に出る。ふぅ~っ。
 この高さからは滝は斜度が緩いのでなんとかロープ登高できるかと思ってヤってみる。1歩、そして、また一歩、もう一歩 踏み出したあたりで足を水にすくわれ、ボテーン、水に押されて身体が下向きに折れ曲がる。うぅー息がしにくい。MYGWさんに必死でロープを引っ張ってもらい、2分ほど もがいてなんとか水流から脱出できた。はーっ。なんやっ、左足の靴底が爪先から10cmほどベロンと剥けてもた。もともと剥がれやすそうになってたところに この水勢でイってもうたんやな。完璧な靴で来なあかんとこや。。。気の長い話やけど、このツルツルの斜瀑は水勢が強いこともあって足を置いてロープ登高は無理。足を水流際に置いてロープ登高できるようにせな。リスはないし、もう一本ボルトかな。MYGWさんも「もいっこボルト」と言う。で、アブミの上でバランスを取り、再度ボルト打ち。黙ってると気が滅入るので、「さぁいくでー」とか言いながらジャンピングをカンカンどついてた。で、また20~30分かけてボルトを打ちこみ、そこにロープを一旦フィックスする。で、MYGWさんにも水上に上がってもらい、俺はフィックスした先からロープ登高再開。バランスがなかなか難しく、水流の恐怖もあったが、チマチマいき、微妙なリスにハーケンを1枚打ち足すして、水流からさらに離れる。またツルツルの側壁をロープ登高(平行?)で上流側へチマチマ進む。

12:45 なんとかF7の落ち口に立つことが出来た。MYGWさんが「ハーケンを打ち足せんか」というので、少しでもロープが水流から離れるようにF8釜の左岸側に軟鉄横ハーケンを打ち込み、ロープの向きを少し変える。で、MYGWさん、ロープ登高で だいぶ登ってきた。あと少しや。もういけるやろ。と思い、安定したところでパンにありつこうとしたところ、、、またもや「おぉい、おぉい」の声。さっきまで見えてたMYGWさんの姿が見えない。あれっ?また落ちた?そして間もなくハーケンが抜けて落ちていくのが見えた。あれー。もう体力ないのにヤバいんちゃう!!「おぉい、おぉい」の声はまだ聞こえてる。呼子を鳴らす。「ちょっと待ってー、ボルト打ちなおすー」と叫ぶ。が、聞こえてるかどうか分からない。急いでガンガン開けて あと少しというところでMYGWさんのメットが覗けた。あぁ良かった。岩が硬く、なかなか穴が開かない。それにボルト打ちの腕力も お疲れ気味。もういいかな と思ってリングボルトを打つが まっすぐに決まらず 少しズレてる感じ。一応、体重かけて引っ張っても動かないが…。MYGWさんに「これ あんま効いてないですけどーーー」というと、ウンウンと頷く。そうですか、じゃーいっちゃってください。で、またフィックスして MYGWさん再度ロープ登高開始。

14:30 MYGWさんが よぉやくF7の落ち口を抜け、F8釜の左岸バンドにたどり着いた。はぁやれやれ。
 ここで協議。「もう2時半やし、この滝巻いて下るんやのうて、ピストンで帰ろう。」ということになる。午前中はピーカンやった空も 若干 雲が厚くなった感があるし。まぁでも とりあえず腹ごしらえ。ってことで、パンを食うが、これ、俺の防水袋、浸水しとるやん。げろげろ。もちろんパンもグショグショ。あーーーん。MYGWさんは家で作ってきたっちゅう沖縄ドーナツ。一個か二個やったかもろた。空腹には堪らないっすわー。喰い終わってから、登り帰しのルートを協議。

IMGP0741s.jpg

俺的には左岸側のF8落ち口から離れたところの ややもろそうな割れ目。まず、F8下段滝を登り、再度協議。MYGWさんは「ボルト連打で滝直登がええんちゃうか」て言うてはったけど、俺案のルートのほうがマシかな とこちらに戻ってきた。で、さぁ、俺 登ろかな と動こうとすると、MYGWさん「僕いくわ。身体ぬくもるし。」と。確かにジっとしてたら水飛沫でサブいぐらいやけど。俺「ほんまイケますかー?俺いきますよー。」、MYGWさん「僕いくわ!」とのことで、MYGWさんリードで登ることに。ハーケン、ボルト、シュリンゲ、カラビナを渡し、レッツゴー。俺は 9時から散々つこてるハーケンでセルフビレイをとって、ビレイ。MYGWさん、ハーケンを打ち込み、アブミをかける。で、少し動的に荷重をかけてみる。…と、少し動いた!俺「動いた」。俺「ハーケンもうちょっと持っとかはったら?」、MYGWさん「ほなもうとくわ」。で、セルフビレイのインクノットを少し長くしてMYGWさんにハーケンを追加で渡す。インクノットを また短くせんと、落ちた時にヤバいなぁと思うが、MYGWさんに「登りを少し待って」と言い出せず、そのまま。で、MYGWさん、再度 ハーケンを打ち、そこに あぶみ。今度は動かず。で、ランニングをとる。で、もう一枚 ハーケンを打ち、あぶみをかける。で、乗り移った矢先、MYGWさん落ちる。あ゛ー。ランニングのハーケンも抜ける。で、間髪を入れず、俺の身体も引っ張られる。MYGWさんが2m下の斜めの岩面に当たり、その後 転がって釜に突っ込むのが見える。俺も下に引っ張られ、身体が背骨を軸にグルんと回ったような感じになり、2m弱下の岩面に背中を打ち付ける。うぅ゛ーーー。息が出来ん。MYGWさんが早くも動いて、登ってこようとしているのが見える。MYGWさん「大丈夫かー?」、俺 (声だせず)、手を上げて合図をする。3分ぐらいジっとしてたら、痛みが少しおさまってきたんで、セルフビレイのハーケンのとこまで登って座り込む。う゛~。MYGWさんも間もなく上がってくる。MYGWさん「あのハーケンいけると思たんやけどなー」、俺「ハーケンの荷重のテストが不足してましたね。」、MYGWさん「やっぱりボルト連打のほうが安全やで。」。俺、反論しかかったが、次 すぐ登り出す元気はないので、そのまま。

15:30 行動の早いMYGWさんは 早速ボルト連打ルートを目指し始めた。ツルツルの岩の斜面を登って、立ってる箇所まで行こうとするが、斜面ツルツルで無理。斜面にボルトを打ち始める。15分ほどでボルトを打ち込み、そこでランニングをとって さらに上を目指す。2~3度ほどスリップして斜面を2mほどズリ落ちていたが、その後のトライで執念で上側のバンドまで辿りつく。この頃から雨が降ってきたと思う。

15:55 そこからは立ってて濡れ濡れなので やはりボルト。早速 打ち始めるMYGWさん。しばらく打った後、俺に何か言ってる。水音で何言ってるか分からないが、手振りによると、俺に「ここまで来い」と言ってるようや。MYGWさんと俺のザックが両方残ってたので、これをどうしようかと思案していると、あきらめたのか、なんなのか、また、MYGWさんはボルトを打ち始めた。で、リングボルトを打ち込んだが、何か失敗したのか、先が少し曲がったリングボルトをこっちに見せている。戻ってきたMYGWさん「ボルト打ったら、穴つぶれた。岩もろい。」とのこと。そか、残念。1時間弱とボルト消費しただけに終わってしもた。雨は本降りになってくる。俺「やっぱ、こっち行きますわ。」(さっき、MYGWさんが落ちたルート)、MYGWさん「そか、がんばってもらおか。」

16:20 MYGWさんビレイで俺が登り始める。MYGWさんが最初に打ったハーケンが残っていたので、十分テスティングした後、あぶみに乗り込む。ゴロゴロ鳴ってる。岩が転がってきたのか と思ったら、雷の音やった。雨足はドンドン強くなり、登ってるルートの割れ目にも水が流れ出した。もぉココを登るしかない。左の背中が痛むが、まぁ登れんことはないやろ。2mほど上には50cmほどの高さの木が数本見える。で、木より下の右上には30~50cm四方のバンドも見える。あのバンドに立ち、木に支点をとるか、もしくは投げ縄でも出来れば、あとは その上にも木が続いてそうやから なんとかなるやろ。次のハーケンを打ち込む。十分テスティングした後、乗り込む。で、もう一枚や。右上のバンドに近づけるように打ち込む。そしてテスティング。テスティングしてる時に、何か 左のほうに気配を感じた。F8の落ち口に黒いウェットスーツを着てヘルメットを被った人が数人いる。な、なんなんや、あの人ら、なんでこんなところに?MYGWさんも「なんで あんなとこに人が居るんや?」って言うてはる。その内の一人が、両手で○(丸)のサインを作っている。「大丈夫か?」と訊いてくれてるんや。なんやろ?ザックも担いでへんし、山屋さんっぽくはないなー、カヤッカーか、それともキャニオニングの人?!ここで少し迷う。今のルートは登られへんってこともないやろけど、あの人らに手伝ってもろたほうが、絶対に早いやろ。もう時間も無いし、雷は鳴ってるし。
 ってことで、×のサインをする。(ひょうきん族の最後の神様みたいな感じ) その人は片手でOKのサインをしている。あのサインをするってことはラフトの人かカヤッカーとかかな。
 最初、俺が登ってたルートのところの上まで行ってもろてロープを垂らしてもらおうとしたが、無理っぽそうなので、朝の懸垂下降時にMYGWさんが打ったボルトからロープを垂らしてもらうことにする。ザイルを垂らしてもらおうとするが無いとのこと。俺がスローロープを持ってたので、それを投げて、その先にザイルをつなげることにする。で、ザックからスローロープを出して、投げようとする。
 と、上から、カラビナでテープスリングやら細いロープやらを連結しまくったものが降りてきた。あぁありがたい。これに俺らの太いロープを繋げてフィックスしてもらえれば、あとはロープ登高したらええわ。まず、荷揚げ。で、クロール(PETZL)とバッチマンで登り始める。が、MYGWさんが「降りろ、降りろ。もっと左から登らな、水圧で無理や」と言ってる。ロープの垂れるところが丁度 滝の水流が流れてるとこで、上部では まともに水を食らうことになる。でも、クロールの解除がしにくい。もう少し登ったら、自分で滝の水流を避けて左にズレれるかもと思い、そのまま登る。が、左にズレるのは無理やった。なんとか上の人にも手伝ってもらって ぶら下がったまま左にズレたいのだが、MYGWさんに手振りで それを要求しても「無理、無理、無理」との手振り。(この頃は 滝の水かぶりっぱなしで MYGWさんとの間も 音声の会話は成立しない)
 仕方が無いので、とにかくクロールの解除。これが とてもやりにくい。クロールより上にスリングでバッチマンを作ってそっち側にテンションをかけて、クロールのテンションを抜き、でもって、クロールからロープを外す。というだけやねんけど、水圧が常にかかってるせいで、なかなか出来ない。それより何より、雨のせいか、水圧がドンドン大きなってくる。くるちい。多分30分ぐらいガンバって ようやく外せた。で、下まで戻り、もう少し左に垂らしなおしてもらった別のロープで、あと、アセンション(ユマール)も二つ下ろしてもらって、再度、ロープ登高開始。

18:49 あと2mでF8の落ち口や。ここから斜度が緩くなり、ユマーリングしにくくなるが、少し休憩して、右のスタンスに足を置き、エイエイっと登りきった。そこには3人いてはる。1人がリーダっぽい人。キャニオニングのガイドさんらしい。「MKNさんに"俺ら二人を発見した"ことは伝えてある」とのこと。ありがたや。MKNさんも安心してくれたやろ。とにかく お礼を言う。「ご無事で何よりです」と言ってもらえる。

18:55 MYGWさんロープ登高開始。助けてくれた人が「ユマーリング大変やから、縄梯子つくろか」と言ってくれた。が、縄梯子つくるのも時間かかるし、MYGWさんならイケルやろう ってことで、「あの人やったらユマーリングいけますよ」と返事する。MYGWさん、あと3mぐらいってところで詰まってしまう。あそこから ちょっと しんどいんや。「ロープを引っ張ってくれ」と言うてはる。4人で引っ張るが どうにもならない。俺「下からみて右側に足置けるとこあるから」と伝えると「もう一本ロープを垂らせ」とのこと。リングボルトから もう一本ロープを垂らしてMYGWさんに投げる。で、あとはうまいことスルスルっと登ってきはった。

19:20頃 MYGWさん、落ち口に達する。荷物をまとめて入渓地点へ向かう。防水バッグに浸水してるせいか、ザックが やたらと重い。背中も脇腹も痛くて、泳ぐのも大変や。ヘッドランプをつける。ヘッドランプをつけて泳ぐのなんて初体験や。最初の2m滝はガイドの方が「フリーで登れる」というので、そこに行く。確かにガバがよぉけあるが、重いザックを背負った身には辛い。MYGWさんは やたらと元気で「簡単やんっ」と登っていく。MYGWさんは墜落時ヘッドランプがダメになったそうで、ガイドの人に常に照らしてもらってた。俺は 歩きも左足が上げづらく、皆から どんどん遅れをとる。左足の靴底は半分ぐらい剥げてきてる。あと、背中と脇腹が… と言っていても仕方がないので、とにかくついていく。ヘッドランプが見えなくなると 誰も居なくなったような気がするが、時々 後ろを向いてくれたので、先行のヘッドランプが見えて、なんとか後を追えた。泳いだ後、水から身体を持ち上げるのが とてもえらい、4回ぐらいあったかな。最後、2mほどの滝を左岸から巻いたが、ルートがかなり分かりづらかった。思案している俺を見かねて、1人、登りなおしてきてくれて、ルートをさししめしてくれた。最後は一瞬 腐りかけかな?と思うような木にロープをかけて懸垂で下りたようやった。支点の木の下に太い木があり、そちらをアテにしたかったが、たくさんの人を待たせてるようやし、今までもったならイケルやろってことで、そのまま懸垂して下りる。垂直に下りきった後、斜度が緩くなるが、そのまま懸垂で下りていく。さぁ川床というところで、ロープのテンションが抜け、頭からズルズルと滑って下りた。ザックを背負ってたし、特に怪我はなかった。案の定、支点の木が折れた。そこには若い女の子まで何人か居てはる。「大丈夫かー、大丈夫かー」と皆 声をかけてくれる。最後に左岸側から林道のある右岸側に渡るんやけど、誰かが「パンツ濡れたー」て言うてはる。「帰りのパンツやのに」と言うので、「俺ので良かったらアゲまっせ」というが、「新品でお願いします」と返ってきた。残念ながら、使いさしですわ。

20:00頃 ようやく林道に出る。MKNさんは連絡をとるために携帯の繋がる国道あたりまで行ってくれてるそうや。MYGWさんの行動は相変わらず早く、パッパと着替えて運転開始。俺は のそのそウェットを脱ぐ。脱ぎたいねんけど なかなか脱げない。苦労してるとMYGWさんが戻ってきて、引っ張ってくれる。が、激痛が走る。着替えてるとMYGWさんが どんどん荷物を放り込んでくれる。ウェットを脱ぐ前に外した腕時計が見当たらない。探していると、上流側から さっきのガイドさん達(自然派企画様)の車がヤってくる。少し待たせてしまい、「また今度 探しにこよ」ということで、見切り発車。少しすると、MKNさんを乗せた宿坊の方の車が上がってきた。簡単に安否確認後、国道まで車を移動。

20:40頃 国道出合。自然派企画のかたたちへ簡単にお礼を述べる。その後、MKNさんや宿坊の方、他の方と連絡をとる。MYGWさんの山岳会の方が何人か現場に向かって下さってたらしい。俺の山岳会のほうも、MKNさんがキンゴさんと直接の知り合いやったそうで、そこを経由して代表にも連絡が入り、現場に向かってくれてたらしい。キンゴさんにはMKNさんが下山済の連絡を入れてくれ、河合あたりで、代表に連絡も入れることができた。妻に連絡をとると オーオー泣いていて、こちらも貰い泣きをしてしまう。

妻は久宝寺まで迎えに来てくれて、おかげで その日中に家に帰りつくことが出来た。エレベーターなしの5階は こうゆう時には なかなか辛い。


●お世話になった方へ(別途ご連絡済みですが、こちらにも記載いたします)
 ・自然派企画の皆様
  リスクを冒して、私達の居るところまで見に来てくれはってありがとうございました。命の恩人です。
  また、大阪に お帰りになる時間を大変遅くしてしまい、申し訳ありません。
 ・前鬼宿坊の ご夫妻、MYGWさん、MKNさんの所属山岳会と飄逸沢遊会の皆様、特に現場へ向かって下さった皆様
  私達のために お休みのところ、お時間を割いて下さってありがとうございました。
  また、下山連絡が遅くなって、ご心配をおかけしてしまい申し訳ありません。
 ・MKNさん
  色々お世話になりました。ありがとうございました。


●MKNさんや自然派企画の方から話を聞いたこと
 ・MKNさんは林道の滝展望台で待っていたが、正午を過ぎても現れず、でも、まだ明るい内から緊急要請するのもどうかと迷っていた。
 ・車が通りかかったので呼び止めると宿坊の ご夫妻であり、以後、夜まで ずっと一緒に行動してくれて心強かった。
 ・ウロウロしてると自然派企画の車が通りかかったので、声をかけてみた。
 ・しばらく待っていたが、16時を過ぎて、自然派企画の方から「見に行ってみましょう」と言ってくれはった。MKNさんも行こうとしたが断られた。
 ・少しして、自然派企画の人が林道まで戻ってきて「怪我の状況は、わからないが、自力で脱出しようとしていたので、大丈夫なはず」と言われた。無事は確認できたものの、暗くなっても戻ってこないし、もし怪我でもしてたら少しでも人手があったほうが早ぅに下山でけるやろと思い、二人の所属山岳会に連絡をとった。
  →以後、家族や所属山岳会への情報伝達の結果、「怪我していて動けない」ということになっちゃってたようです。

●MYGWさんの異見(7/11夕方 この記事を読んで)
 ・林道に上がる前の最後の懸垂では支点の木が抜けたわけやのうて、何かに引っかかってたロープの引っかかりが取れたせいで伸びてコケたのではないか?

●装備
 ---鎌田所持分---
 8.9mm40mダイナミックロープ1本
 8.9mm30mダイナミックロープ1本
 リングボルト7個
 ウェーブハーケン、軟鉄ハーケン 計約4枚
 クロモリハーケン、計約10枚
 ラープ2枚
 ジャンピング1個
 キリ4本
 ハンマー1
 ハーネス1
 各種カラビナ多数
 テープシュリンゲ、ロープシュリンゲ多数
 食料
 クロール(登高器)
 ロープマンmk2(登高器)
 ルベルソ
 フィフィ(失った)
 その他

 ---MYGWさん所持分---
 8.0mm40mダイナミックロープ1本
 8.0mm30m補助ロープ1本
 ウェーブハーケン、軟鉄ハーケン 計約4枚
 リングボルト6個
 アブミ1個
 ジャンピング1個
 ハンマー1
 ハーネス1
 各種カラビナ多数
 テープシュリンゲ、ロープシュリンゲ多数
 食料
 8環
 その他


●その他
 ・月曜にレントゲン撮ってもろたけど、骨に異常は無いとのこと。でも、咳したら激痛が。。。
 ・金曜に別の医者でレントゲン撮ってもろたら、肋骨10番が折れてるとのこと。コルセットを巻いて、マシになった。


かなり人迷惑な話ではありますが、今後、沢登りや降渓(キャニオニング)される方の何かの役に立つこともあるかと思い、詳細に公開させていただきました。
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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

  1. 2008/07/09(水) 23:49:58|
  2. '08谷
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:15
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コメント

No title

前鬼行ってこられたのですね!!
写真見るとなんか大変そうですねえ~
登れそうな感じでした??
  1. 2008/07/07(月) 22:25:27 |
  2. URL |
  3. よっちゃん #l4UU6Yzs
  4. [ 編集]

登れそうか?

>よっちゃん
水量や当日の地形などにもよると思うんですが水線沿いを登ろうとしたらドツボにハマる滝が二つありました。ちょっと今 熱あって鼻水ドバドバで咳が出ると腹と背中が痛んで でもって下痢して…、 なんしか体調復活したら、また文章をアップするつもりです。
  1. 2008/07/07(月) 23:08:33 |
  2. URL |
  3. Fontaine #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

No title

これまたえげつないところへ行ってますね~(笑)
しかも、水量多かったやろうに・・・

でも、この滝アタシ一番好きな滝です。
  1. 2008/07/07(月) 23:48:28 |
  2. URL |
  3. あめやん #S5MNbVyc
  4. [ 編集]

一番好き

>あめやん
え?どの滝のことっすか?不動七重全部?梅雨期は やっぱ迫力ありますぅ。
  1. 2008/07/08(火) 01:24:32 |
  2. URL |
  3. Fontaine #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

No title

うん。遠くから眺めた七重全部が好きってこと。
普通の人間には、何段あるかもわかりませんわ~
  1. 2008/07/08(火) 22:22:59 |
  2. URL |
  3. あめやん #S5MNbVyc
  4. [ 編集]

すごいね

よう頑張った。帰れて良かった!!!
  1. 2008/07/10(木) 12:56:43 |
  2. URL |
  3. tubo #-
  4. [ 編集]

無事でなによりです。
感動しました。
  1. 2008/07/10(木) 22:17:14 |
  2. URL |
  3. Ymg #-
  4. [ 編集]

No title

おお~!!
なんかエライ目にあってはったんですねえ~
よく這い上がれました!
素晴らしいです。
  1. 2008/07/10(木) 22:56:04 |
  2. URL |
  3. ycn #l4UU6Yzs
  4. [ 編集]

地獄釜

地獄釜=落ちたら自力で這い上がれない滝壷のことだそうです。
カマちゃんだから生還できました。私が付いて行ってたら低体温症で疲労凍死してますね。
  1. 2008/07/10(木) 23:18:42 |
  2. URL |
  3. 夢水 #-
  4. [ 編集]

No title

よくぞ ご無事で
すごいです!
さすがタカ派の最先鋒
  1. 2008/07/10(木) 23:51:14 |
  2. URL |
  3. Y谷 #-
  4. [ 編集]

コメントへの お返事

>tuboさん、Ymgさん、Y谷さん、ycnさん、夢水さん
コメントありがとうございます。
行動の選択で何度か失敗してると思います。反面教師にして下さい。這い上がれたのは もちろん助けてくれた方のおかげです。ほんまに運が良かったと思てます。色んな方に ご迷惑を おかけしてしまいましたが、勉強になることも色々ありました。
  1. 2008/07/11(金) 01:51:18 |
  2. URL |
  3. Fontaine #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

ほおおお

よくぞご無事で。
なんか、えげつないところやねんけど・・・思ってたら、やっぱりでしたか。
命あってよかったです。
しばらく養生と妻孝行してくだされ!
  1. 2008/07/12(土) 00:17:25 |
  2. URL |
  3. あめやん #S5MNbVyc
  4. [ 編集]

養生

>あめやん
はい、養生いたします。
  1. 2008/07/12(土) 09:22:34 |
  2. URL |
  3. Fontaine #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

No title

さっきジムの知り合いから事故のこと聞いて、慌てて見に来たんやけど。
本当、生きてて良かった。
それにしても、しぶといと言うか、凄い生命力やね。
山屋には大事なことやわー。
  1. 2008/07/15(火) 19:32:18 |
  2. URL |
  3. シブ #ii5X1wCA
  4. [ 編集]

生命力

>しぶちゃん
MYGWさんの しぶとさには度肝を抜かれました。
  1. 2008/07/15(火) 22:48:02 |
  2. URL |
  3. Fontaine #3/VKSDZ2
  4. [ 編集]

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